白梅学園高等学校

SCHOOL INFORMATION

自然科学部:大学の研究発表会で優秀賞受賞!

自然科学部では積極的に学会や発表会に参加して、自分たちの研究成果を発表しています。

11月12日に東京薬科大学主催の「TAMAサイエンスフェスティバル in TOYAKU 2023(中高生オンライン研究発表会」に、学校の生物室からZoomで初参加しました。

この会では、全国の中学生・高校生が参加し、54演題が発表されました。

 

この日、本校2年生の廣田陽世さん、山﨑すずさん、山本美璃さんが、先日の日本植物学会で発表した『まるで海の宝石箱や~! ~光る海藻のHow疑問とWhy疑問を解く~』を、今回は以下の点をアピールポイントとして力説し、パワーアップして発表しました。(内容の詳細はこちら

 

(この研究のアピールポイント)

①    :生物学の2つのなぜ、「How疑問」と「Why疑問」の両方に注目して調べるチャレンジをした。

②    :How疑問(どのようにそれが起こるのか:光るメカニズム)について、色の発色のメカニズム4つを実験で検討して、「構造色」であることを実験的に検証したこと。

③    :その結果、海藻が光るのは蛍光とされている多くの図鑑の記述を「構造色」と変更すべきという提案。

④    :Why疑問(何のためにそれをしているのか:生態的意義)について、2つの仮設(①:捕食回避仮説,②:  

光防御仮説)を考え、光防御仮説を実験的に検証したこと。

⑤    :文献調査により、海藻の構造色の生態的意義についての実験的証明はこれが世界初(?)かもしれない。

(現時点では先行研究は見つかっていない)

 

 

生徒たちは発表2日前までは修学旅行に行っていましたが、疲れていても旅行翌日には登校して練習に励み、当日にも4人で力を合わせて一生懸命に発表をしました。

多くの中学生・高校生・東京薬科大学の先生方および学生の方に本校の発表へいらしていただきました。そして、たくさんの貴重なご意見・アドバイスをいただくことができました。ありがとうございました。

 

この発表会では、東京薬科大学の先生方による投票で決まる「最優秀賞(大隅賞:ノーベル医学・生理学賞受賞者の大隅良典先生の名を冠した賞)」,「優秀賞」や参加した生徒たちの投票で決まる「会場賞」などいくつかの賞が授与されます。

発表から5日後の金曜日。顧問・代表者に以下の結果がメールで送られてきました。

 

優秀賞 白梅学園高等学校(優秀賞受賞2校のうち)

ベストディスカッシャー賞 廣田陽世さん

 

 

なんとダブル受賞を果たすことができました。生徒のみなさんおめでとうございます。

 

廣田さんは70名を越える研究発表代表者他からなる候補者の中から、積極的に質問を行って発表を盛り上げるのに貢献した「ベストディスカッシャー賞」(全11名)にも選ばれました。また、発表者のみんなに向けて、大隅先生(現東京工業大学栄誉教授・特任教授)からのありがたいメッセージをいただきました。

夏の炎天下の中、遠い海まで行って海藻の観察・採集を行い、コツコツ学校で実験を行い、北海道まで行って学会発表をしましたが奨励賞どまり(3年の先輩は優秀賞)。今回ちょっと報われてホッとしています。しかし、あと少しで最優秀賞であったことはちょっぴり悔しく、次の研究発表へ向けたエネルギーとなるに違いありません。

 

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)や理数科などの科学に特化した学校ではない本校でも、みんなで力を合わせて楽しみながら研究をしていけば、認められることができました。

結果発表から後に、学校の方に審査員の先生からのコメントと賞状が送られてきました。

 

コメントでは、「かなり完成度の高い研究だと感じました。プレゼンもわかりやすく、質疑応答もみなさんで協力しながら、うまく対応できていたと思います。」,「画期的な発見です。」,「部活のフィールドワークで自分達が見つけたものに興味を持ち、調べている点がよいと思いました。How疑問とWhy疑問から仮説を立てて検証している点もよいと思いました。」など、たいへんありがたいコメントを多数いただきました。

 

生徒たちは校長先生に報告し、校長先生の手から表彰していただきました。先生方からも祝福され、生徒たちはとても誇らしげな表情でした。

 

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彼女たちは、今はもう次のテーマの研究(植物の果実の構造色)に向かっています。次は3月に神戸で行われる日本植物生理学会の発表があります。この学会で本校は、2年前最優秀賞、昨年優秀賞をいただいていますので、今回2回目の最優秀賞を目指して頑張っていきます。応援よろしくお願いいたします。

 

今回、このような貴重な機会をいただきました東京薬科大学の先生方、学生の皆様にこの場を借りて、御礼申し上げます。ありがとうございました。

 

《生徒の感想》

○廣田陽世さん(部長):『みんなで作り上げた研究で優秀賞を受賞することができてとても嬉しいです。本番当日までの実験やディスカッションを通して、より興味関心を深めることができました。また、他校の生徒さんの研究では、自分が知らなかった新たな知識を得ることができたり、自分では気づけないような視点で研究されていたりして、とても勉強になりました。今後も個性豊かな仲間と共に、楽しく研究を続けていきたいと思います。』

 

 

○山﨑すずさん:『今回優秀賞をとれたこと、とても嬉しく思います。私は北海道大学の学会発表には都合がつかず参加できなかったので、今回やっと全員揃った形での発表でした。今回の発表の形式はオンラインでしたが、私たち高校生の研究が専門家に評価されて一緒に討論できる場が用意されていることは、とても素晴らしいことだと思いました。』

 

○山本美璃さん:『今回はカギイバラノリという海藻について研究をしました。証明したいものに対してどのような実験をすればいいかなどを学び、とても勉強になりました。当日も他校の生徒さんの研究はどれも興味深いテーマばかりで、発表の仕方も工夫されていてわかりやすくとても楽しかったです。研究者さんや中高生などの様々な視点から意見をいただき、刺激的な一日になりました。この経験を今後の研究にも活かしていきたいです。』 

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