白梅学園高等学校

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校長室だより 1年7組 その日に備えて~ 介助体験の授業 第105号

2026年10月10日 00:00

 10月6日(火)1年7組の家庭基礎の授業を参観した。2時間続きの授業であり、担当はK先生である。サポートでH先生とI先生も授業に加わっている。生徒たちは体育着に着替えて家庭科室に集合する。チャイムと共にあいさつをする。生徒たちは「お願いします」と声をそろえる。
 1コマ目は、「車いすの走行と介助体験」である。K先生が「介助する側と介助される側の両者を体験するのがポイントです。」と伝え、「いろいろなところで災害が起きている。いつ、どうなるかわからない。そのときに自分から動ける人であってほしい。」という趣旨のお話がある。
 まずは、プリントの穴埋めである。車いすの各部の名称をおさえる。「ハンドグリップ」「ハンドリム(自操のときに手で回す部分)」「ティッピングレバー(段差を上がるときに足で押す棒状のもの)」「キャスター(前輪)」「シート」「レッグレスト」「アームレスト」などを確認していく。実際に構内を車いすで移動するときの流れもスライドで確認していく。
①    スタート時 ブレーキをかける。フットレストに被介助者の足が乗っているか確認する。ブレーキを解除する。
②    段差 ティッピングレバーを足で踏むと、前輪が上がり、段差を乗り越えることができる。段差を下りるときには、後ろ向きになり、フットレスト上の足が段差にぶつからないようにする。
③    自操 まっすぐに進むようハンドリムの力を加減して回す。
④    マット上や側溝上を敢えて通行すること。ただし、振動が伝わらないようにスピードを落とす。
⑤    下りのスロープ 後ろ向きでゆっくり下りる。介助者は事前に声掛けをする。
⑥    ゴール 介助者は片手でハンドグリップをもって、もう一方の手でブレーキをかける。
K先生は、1台の車いすを家庭科室の中央に持っていき、実際に生徒を乗せて操作の説明
をする。フットレストには左足、右足の順に乗せる、声をかける、被介助者を下ろすときには、ブレーキをかけて、右足、左足の順に下ろす、などの留意点を伝えながら実演する。また、プリントで構内をどのルートで回るのかを確認する。


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 生徒たちはペアになって廊下へ出て、さっそく段差に挑戦する。前輪を持ち上げたら、後輪を段差にぴったりと接するようにして、押し上げるのである。段差から下ろすときにも、後輪を段差に押し付けるようにしながら下がるといいようだ。校舎を出ると、自操するエリア、側溝やマンホールがあるエリア、スロープを下るエリア、スロープを上るエリアなどを経てゴール地点まで戻ってくる。自操のときに、まっすぐ進むのが難しい場面もあるが、友達から「右側のハンドリムを回して」と声がかかると、修正している。その後、介助者と被介助者が交代するのである。
 家庭科室へ戻ってから各自で振り返りをプリントに記入する。また、被介助者にどうであったかをチェックしてもらうのである。さらに、「介助するときに気を付けること」「介助されるときにこうしてほしかったこと」について、班ごとに話し合う。生徒たちからは、「押しているときに被介助者の足元が見えないので、段差を上がるときに注意する」「介助者が次に何をするのかわからないので、声掛けが大切である。」といった考えが出される。K先生は、「困っているときに自分から手伝える人になってほしい。自分一人で介助をやろうとしても難しい時には、周囲に頼むことも大切です。」というお話がある。

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 10分間の休み時間を経て、2コマ目の授業である。テーマは、実習「高齢者の歩行と介護体験」である。はじめにK先生から生徒へ基礎的な知識が提示される。つまり、着替えの基本は「脱健着患」(衣服を脱がせるときは健康な側から、着せるときは患っている側から)、介助する人は、患側に立ち、後ろから腕と腰を支える、などである。生徒たちは同じ班内でペアを作り、一人が被介助者となる。被介助者は、荷重チョッキ、肘サポーター、膝サポーター、手首に重り、ゴーグル、ヘッドフォンなどを身に付ける。サポーターを付けると、膝や肘を自由に曲げられない。ゴーグルは白内障を想定、ヘッドフォンは聴力低下を想定している。被介助者は健側の手に杖をついて、階段をのぼり、2階の踊り場まで行って下りてくる。それを介助者がサポートするのである。戻ってきたら被介助者を交代する。

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 戻ってきた生徒たちのつぶやきが、私の耳に届く。「こんなになってしまったら何ができるのだろう。」「何歳くらいになったらこうなるのだろう。」・・・片づけをして、プリントに振り返りを記入し、各班の代表者が感想を述べる。「目が見えずに不安でした。」「聴力も視力も低下すると、こんなに怖いのだなと感じました。」
 K先生からは、89歳になる御親族が緑内障で失明されており、それでも周囲の支えのもとに前向きに過ごされていることの紹介の後、「今備わっている能力を大切にしながら、与えられた環境の中で協力し合って生きていきましょう。」との締めくくりのメッセージが生徒たちへ送られて、授業が終了する。

(共学共高とは:本校のディプロマポリシー(育てたい生徒像)の一つで、「共に学び、共に高め合う」生徒の姿を表す)

第105号 1年7組 その日に備えて~ 介助体験の授業 令和8年10月9日発行

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