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2024年4月 9日 14:11
第六十一回入学式式辞
新入生の皆さん、御入学おめでとうございます。
本日、こうして皆さんが白梅学園の一員となられたことを心より歓迎いたします。入学にあたって、これからの三年間でどのように過ごしていただきたいか私の思いをお伝えします。
これまでの日本においては、より多くの知識を蓄積し、与えられた仕事を効率よくこなすことに重きが置かれた人材育成がなされてきました。学校教育においてもその影響を受けてきたことは否めません。しかしながら、現在は答えのわからない課題を見つけ、その解決策をチームで模索しながら、結論へと導いていくことが求められています。そのために、どのような力を身に付けていけばよいのでしょうか。
まず、本校の三年間の学びの中で「確かな教養の土台」を身に付けてほしいのです。さまざまな科目の学習を通して、基礎的な知識の習得とともに、科目の特性に応じた、ものの見方・考え方を養ってください。そして、確かな教養の土台の上に、高校以降の学びの中で高い専門性を積み重ねていくことが大切になります。なぜならば、そうした人が、将来、新しい知や価値を見出す土台をもった存在になる、と私は考えているからです。
また、皆さんが将来仕事をしていくときには、一つの組織では完結しない、つまり国境を越えて複数の組織が連帯して、答えなき課題の解決策を見出していくことが当たり前になっているはずです。国籍の異なる人とチームを組んで仕事をしていくこともあるでしょう。自らの文化や価値観と異なる人たちと、コミュニケーションをとりながら、協働していくことになるはずです。そのときに大切になるのは、あなた自身が「豊かな人間性」を備えている、ということです。すなわち、他を思いやる心、自分との違いを認め粘り強く対話を積み重ねていく姿勢、目標に向かって最後まであきらめることなくやり抜いていく意思などです。こうしたものは、これからの三年間の生活の中で、仲間とともに取り組む学校行事や部活動などを通して培われていくものと考えます。日々の学習とともに、学校行事や部活動にも力を注いで、今しか流せない汗や涙を落して、前向きな三年間を過ごしてほしいと願っています。
個々の人間の力は、微力かも知れません。しかし、一人では難しくても、白梅学園での仲間・教職員・家族の力を得て、予想外の高みへと到達することができるものです。仲間・教職員・家族を信じて明日からの学びにしっかりと向き合ってください。そして三年後、「良き仲間・教職員・家族とともに高みにたどり着くことができた」と振り返ることのできる日を迎えてください。私たち教職員は、皆さんに寄り添い、励ましながら、皆さんの自立を支えていきます。共に歩んでいきましょう。
さて、遅くなりましたが、本日ここに第六十一回入学式を挙行するにあたり、御来賓の皆様並びに保護者の皆様の御臨席を賜り、お祝いいただきますことは、本校にとってこの上ない喜びとするところでございます。このような席からではございますが、改めて御礼申し上げます。
保護者の皆様、お子様の御入学、誠におめでとうございます。今日から、お子様の新たな成長への歩みが始まります。この先、さまざまな課題に直面すると思われますが、お子様は、それらを乗り越え、人間的に成長してくれるものと信じております。高等学校の三年間は、子供から大人への発達段階にあり、おおよその人格の基盤が確立していく時期でもあります。そのような時期に周囲の大人がどのように関わっていくかによって、お子様たちの成長に少なからず影響を及ぼしていくものと考えております。本日より、私たち教職員は、持てる力を合わせ、お子様の自立を全力で支援してまいります。
結びに、関係各位の本校の教育に対する御理解と御協力を、改めて申し上げ、式辞といたします。
令和六年四月九日
白梅学園高等学校長 武内 彰