白梅学園高等学校

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第12回SFP:『未来の食卓~食べ物はどうやって作られる?~』

2022年6月24日 12:52

白梅では、学年に関係なく学習に参加できる「SFP(22世紀しらうめフロンティアプロジェクト)」を実施しています。また、SDGs(持続可能な開発目標)の学習にも取り組んでいます。

今回のSFPでは、『未来の食卓~食べ物はどうやって作られる?~』と題して、東京大学の矢守航先生にご講演をしていただきました。

矢守先生は東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構(旧農場)にお勤めで、光合成の研究や生産性が高い、栄養価が優れている、様々な環境で育てられるなど、食糧問題の解決につながる作物の研究・開発をされています。

最初に、生態調和農学機構でどんな教育や研究が行われているかの紹介がありました。白梅から車で20~30分という近い場所(東京都西東京市)で、新品種の改良やスマート農業など先進的な研究が行われていることに生徒たちは驚いていました。

まず、先生から「2050年の人口は約100億人」,「100年後の気温は+4~5℃」,「2050年までに食糧の収穫量を70%増やす必要があること」などの地球環境・食糧問題に関するクイズが出され、またいろいろな問題の解決法を考えてみるよう発問がありました。答えた生徒には東京大学グッズを進呈していただき、生徒たちは大喜びでした。

続けて『光合成の仕組みを問いて食糧難に立ち向かう』と題して、先生の専門である植物生理学の点から光合成の基本的な説明がありました。光合成は小学生から高校生まですべての人々が学ぶ重要な内容です。研究者によって植物の光合成能を強化する研究(気孔を開かせる,酵素の活性化,高温への耐性など)が日頃なされていることがよくわかりました。

先生はそれらの科学的根拠に基づいて植物栽培システムの開発も研究なさっていて、現在植物工場でいろいろな取り組みが行われているとのことでした。植物工場では、農薬の不使用,生産性・品質の向上ができること、環境の悪い場所(砂漠・南極・津波で塩害の被害にあった場所など)でも食糧生産ができることなど、多くの利点もあり、もう私たちの身近な所に生産物が届けられています。

そして、将来の月面農場・宇宙ステーション・火星での農業について、夢のあるお話をしてくださいました。

講話の後には、質疑応答を行いましたが、時間を越えて生徒たちが先生を取り巻いて質問を続けていました。生徒たちは、食糧など自分の身近な話題についてとても興味を持ったようでした。

矢守先生、貴重なお話をしていただいただけでなく、生徒の質問にも丁寧にお答えいただき、誠にありがとうございました。

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