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2022年4月13日 17:15
先月の3月24日に本校自然科学部は、「第63回日本植物生理学会年会」(つくば年会)における「高校生研究発表会」に参加しました。
前回に参加した日本植物学会に引き続いて、オンラインでの発表となり、本校の生物室からZoomを用いて参加しました。本来なら多くの聴衆の前で発表させてあげたかったです。
全国から高校生・中学生による42の発表がありました。多くはSSH(スーパーサイエンスハイスクール)や理数科などの科学に強い学校による発表でした。
生徒たちは2学期から校内でコツコツと実験を続けてきました。コロナ禍のために3学期には約1カ月活動ができませんでしたが、地道に放課後や日曜日に実験を行い、各自で文献を読み込み、集まって考察を行い、発表につなげました。
今回この高校生研究ポスター発表会で、
本校自然科学部3年(発表当時2年)の髙岩亜花梨さん,高本千代さん,吉丸侑里さんの3名が研究発表を行いました。
発表タイトルは、『あっしは日陰者ですから… ~暗発芽種子ダイコンのちょっと特殊な発芽の仕組み~』です。
植物の種子には「光発芽種子」というものがあって(例:レタス)、光が当たると発芽し、暗所だと発芽しないという特徴を持っています。この反対の性質を持つものとして、光が当たると発芽が阻害され、暗所の方が発芽しやすいという「暗発芽種子」というものもあります。
この暗発芽種子の材料として、ダイコン種子を選び、発芽について生徒たちは実直に実験を繰り返しました。その結果は、とても特殊で面白いものでしたので、その成果をまとめ、またメカニズムについて考察して発表しました。当日の発表も3人ともとても落ち着いて堂々とできました。
そして、閉会式と審査結果発表がありました。なんと結果は…
最優秀賞&特別賞のダブル受賞でした。おめでとう!
最優秀賞は研究者の方々の審査によるもの、特別賞は一緒に発表した高校生の投票によるものです。
審査をしてくださった先生方、高校生のみなさん、ありがとうございました。
生徒たちも受賞の瞬間はあっけにとられていましたが、次第に受賞を喜んでいました。
・髙岩亜花梨さん(部長):『最優秀賞に選ばれると思っていなくて、本当に驚きました。支えてくださった先生方のおかげです。ありがとうございます。今回私が大きく学んだことは考察の仕方だと思っています。実験で得られた結果を、参考文献から得た情報でどう説明するか、という授業ではなかなかできない踏み込んだ考察ができて楽しかったです。発表はZoomでの開催でしたが、当日はとても緊張しました。しかし、学校外の方々と研究を発表し合い、意見を交換するというのはとても新鮮で刺激を受けました。暗発芽種子という興味深いテーマについて研究ができてとても嬉しく思っています。この経験を活かして次の研究に進みたいです。』
・高本千代さん:『最優秀賞というなかなかいただく機会のない賞をいただけてとても感激しています。普段の授業ではできないような計測ができ、良い経験ができました。今回の発表で人に説明できるよう、今までより疑問を持つことができるようになりました。また、私は人前で発表するという機会が今まであまりなかったので、発表の仕方、緊張感を知ることができ、これからに繋がるものを得ることができたと思います。』
・吉丸侑里さん:『このような賞を頂きまして、大変嬉しく思っています。初めての研究発表でしたので、戸惑いや不安もありましたが、最後までやりきることが出来ました。また、発芽率の計測などを行って、新しいことを知り、それをもとに考察することの楽しさも感じることが出来ました。そして何より、今回の活動は、私の中で大切な思い出になりました。研究を通して学んだことや感じたこと、発表を通して経験したことなどを、これからの生活に生かしていきたいです。この度は貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。』
その後に学会事務局より審査のコメントを送っていただきました。
「実験内容、そのまとめ方ともに素晴らしいと感じました。」,「高校生とは思えない高レベルの研究と考察がなされ、抜きんでた内容になっています。」,「こういう発見は重要です。これからも頑張ってください。」,「ポスターには掲載されていなかったことがセッションの時にわかりやすく説明されていた。」,「内容が深かった。新しい考察が得られたから。質問にたくさん答えてくれた。」,「わかりやすくて面白い結論で良かったです。」など、多数の温かいお言葉をいただきました。また、考察に対する手厳しいご意見もいただきましたが、それらは今後の研究に活かして参りたいと思います。
そして、後日賞状が送られてきましたので、校長先生より授与していただきました。
本校自然科学部は、弱小チームでありながら、昨年9月の日本植物学会での「最優秀賞」に続けての連続受賞(日本一!?)をさせていただきました。前回受賞のOGからもお祝いの言葉をいただきました。どうもありがとうございます。
今回貴重な機会をいただきました日本植物生理学会の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。次は9月に行われる日本植物学会(京都大会)へ向けて頑張ります。